2021
11.24

キッチンハサミの撮影

商品撮影講座

ハサミの撮影 ライティングの構成(反射する商品の撮影)

キッチンハサミの撮影です。

ステンレス製でヘアライン加工がしてあります。

撮影業界用語では光り物と言われる反射するものでライティングを見るのには最高の商品です。

今回はある程度ライティングを組み立てた後ひとつひとつのライトの微調整をして商品への反射を見て説明したいと思います。

撮影の実例

説明しやすいようにライトに反射させる各部分をアルファベットで表記しました。
A. ハサミの裏部分 刃裏
B.小刃と外刃の部分でこのハサミの小刃はギザギザになっています。
C.右側はミネ 左側は側面
D.ねじからハンドルにかけての面

Aの部分ライティング

それではAの刃裏部分から表現を見てみましょう。


最初は刃裏Aのライトを消してみましょう。
ライトが写り込んでいるので消せば黒く潰れてしまいました。
このライトに影響されている部分も暗くなります。

ライトをつけてみましょう。

ハサミが正面を向いているので刃裏Aもほぼ正面に向いているため前にあるカメラが影にならないようにライトを入れる位置を工夫しました。

刃先が明るく上にかけて暗くなるようにグラデーションを入れました。

Dの部分ライティング

次はDの面 ねじからハンドルにかけての平らな部分です。

ハンドルの持ち手部分が少し盛り上がっていてうまく反射させると立体感が出てきます。

確認のためにライトを動かし光量を下げてみます。


光を弱くすることでどこにライトがあたっているかわかりますか?

元に戻しました ハンドルの形状が出てきました。

わかりやすいですよね。

ハンドルの中心部分は緩い角がありこの部分を起点に右側にハイライトを作りました。

左のハンドルの根元までハイライトが入り綺麗な曲線が表現されています。

Bの部分ライティング

次はBの部分小刃と外刃です。

この部分は面の角度が違うので別々のライト2灯で表現します。

このハサミの小刃はギザギザなので普通のハサミの刃より反射しにくいです。

まずはライトを切ってみましょう。

光が入らないと寂しいですね。

面が小刃も外刃も左を向いているのでライトを入れやすいです。

小刃のギザギザの歯が光っていることがわかりますか?

ライトを微調整して反射させています。

次は外刃です。

うまく質感が出ていますね。

刃裏とあうように下から上にかけて若干のグラデーションがかかっています。

Cの部分ライティング

次はC 側面のライトです。現在右側の側面ミネにはハイライトが入っていますがこのハイライトはライトが背景にあるために後ろから手前にかけて(後ろが明るい)グラデーションが掛かっています。(下右写真)丸みが掛かっているので外側を暗くして手前を明るいグラデーションに変えます。

左の写真がライトの位置を変えてハイライトのグラデーションを逆にしましした。

理由は外側にハイライトがあると白い背景に置いたときにそのハイライトと背景が馴染んでしまうためです。

商品の縁にグレーがあるとぼやけないので商品がはっきりしてきます。細かいことですけどちょっとの違いで見え方が変わってきます。

さあ どうでしょうかバレている固定具を処理で消して背景を整えます、色とトーン調整 傷の補正をしました。

まとめ

細かい面で表現された商品は各部分に光を映り込ませて撮影します。

ハイライトがうまく乗るようにライトを微妙に調整すると金属の質感が浮き上がってきます。

そして金属面には少しでもグラデーションを入れてあげると断然立体感が出てきます。

金属の表現は難しいですがそれだけ上手くできた時の達成感は格別です。

柳井一隆

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