03.14

グラスの撮影の仕方
透明なグラスを透明に撮影する
新宿・曙橋の広告撮影スタジオカメラマン柳井一隆(やないかずたか)がお送りするスタジオ商品撮影のやり方です
透明なガラス製品などは商品撮影の中で反射するものと並んで難しい撮影になります。
そのような難易度の高い撮影をどのように撮影をしているか解説しています。

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目次
透明なグラスのスタジオ撮影の解説
ワイングラスの撮影
ワイングラスを使って説明いたします。
グラスを手に持って光の入ってくる窓に向けて透かしてみるとグラスの透明感が出てとても綺麗に見えますね。
スタジオでも後ろから光を入れて撮影をします。

ワイングラスの各部の名称
その前に説明しやすいようにワイングラスの各部分の名称をお伝えしておきます。
のみ口の部分をリム
グラスの本体になる丸い部分をボウル
持ち手となる足の部分をステム
グラスを支える土台の部分をプレートと言うらしいです。
私も知りませんでした。
こちらの名称で説明していきます。
実際の撮影
グラスの設置です。
下からの光も入れたいのとグラスへの写り込みを避けるためにガラス板の上に置きます。
背景にはアトレ(トレペ)越しにライトを入れます。
最初はグラスの後ろから入れてどの様になるか見てみましょう。
イラストで後ろからライトを入れている位置を説明しています。
画像はクリックすると大きくなります。
周辺に光が拡散しないようにライトAを入れました。
真後ろです。
丸いライトの影がボウルの両サイドやステムに映り込んで形がよく出ました。
非常に印象的な写真です。
右から1灯ライトを入れる
それではこのライトAを消して右斜め上に新たにライトBを入れてみましょう。
画像はクリックすると大きくなります。
グラスの右側面にライトが反射してハイライトが入りボウルの左下には透過した右のライトの明るさが表現されていますが直接ライトを透かしていないのでグラス自体の透明感は失われています。
ステムにはやはりライトと反対左から明るいグラデーションが出ました。プレートにもライトの置いた位置から反対側が明るくなっています。
左右からライトを2灯入れる
次にライトBとは反対左側の同じ位置にライトCを置いて左右2灯のライトにしてみましょう。
画像はクリックすると大きくなります。
ボウルの両側に上から下へのハイライトと底部も明るくなりました。
プレートにも全体に光が入りました。
2灯置いたことにより光が回り少し透明感も出てきました。
ここまでの画像は背景後ろからのライトの設置位置によってどの様にグラスに光が反射して透過するのかを確認しました。
グラスや化粧品などの円筒形状の反射する商品を縦に立てると側面に反射するのは斜め後ろの背景です。
ボウルの側面のハイライトは左右斜め上に置いたライトが反射してハイライトを作っています。
グラスが置いてある水平のガラス板も明るくなっているのは背景が反射しているからです。
それらを考えるとグラスの撮影の場合背景にライトを置くことは透明感とガラス感を出すためには必要なライトといえます。
全てのライトをつける
それでは今まで検証してきた全てのライトをつけてみましょう。
画像はクリックすると大きくなります。
ボウルの左右にハイライトがありグラスの丸みが表現でき リムにもハイライトのラインが入りました。
ただ少し陰影が濃い様な気もします。
特にステムから下の部分のコントラストが強く感じます。
ライトAとライトBを下に下げてグラスの高さと同じぐらいにしてみましょう。
画像はクリックすると大きくなります。
ボウルに映るハイライトが下まできてグラスの厚い部分の黒い影が薄くなりました。
ステムも光が入って縦にハイライトが入りました。
ライトの位置や数により画像のコントラストも変わりました。
ちなみにパソコン上での明るさやトーン コントラストの調整はしておりません。
全て同じ条件です。
グラスと中に入れるリボンの表現
スタジオに赤いリボンがありましたのでライトは動かさずにリボンを入れました。

あれ?
赤いリボンが黒くシルエットになってしまいました。
そうなんです。
手前にライトが入っていなくて後ろからの光だけでライトを構成しているから当然ながら光を透過しないものは表現できません。
リボンを表現するために斜め左からライトDを入れてみましょう。
画像はクリックすると大きくなります。
イラストでは真横にライトがある様に見えますが実際にはグラスとカメラのライン45°の位置 アトレ越しに置きました。
リボンの色が出て陰影がはっきりしてきたのとボウルにハイライトが入ってグラスの丸みが表現されました。
次はトップからライトを入れてみましょう。左のライトDは消します。
画像はクリックすると大きくなります。
リボンの質感の出る位置が変わりました。リムにかかっている部分が綺麗なハイライトを作っています。
ボディのハイライトは消えました。
改めて左からのライトを使った画像(左)とトップだけ入れた画像(右)を比べてみましょう。(背景はそのまま入れてあります)
画像はクリックすると大きくなります。
どちらも綺麗ですね。グラスを主体で見せたいのであればハイライトが入っている左の画像でしょうか。ハイライトがない方が良いと思う人は右ですか。
両方のライトをつけてみましょう。
画像はクリックすると大きくなります。
リボンの陰影や反射が綺麗に表現されています。
ここまで一つひとつグラスの表情を見ながら結局5灯のライトを使って表現しました。
あらゆるところからライトをあてるとグラスのコントラストが少し下がってメリハリがなくなった様に感じます。
ボウルに入っている左右のハイライトが邪魔しているのかもしれません。
後ろのライトBとライトCを消してみましょう。
画像はクリックすると大きくなります。
グラスがはっきり見えてきましたねリボンのメリハリも出て美しいです。
ワイングラスの撮影方法のまとめです。
グラスの写り込みを減らすためにガラスなどの透明なものの上に置く
背景からのライトで透明感を出す。
丸みを出すために手前からのライトでハイライトを演出
フォトショップを使ったメリハリと彩度の演出
ここまではライトの活かし方を見るためにフォトショップでの調整をしないでライティングだけで構成しました。
みてきたように光は拡散するので増やせばどうしてもメリハリがなくなってきます。
フォトショップでハイライトを立ててシャドウと彩度を活かして調整してみましょう。
画像は全てのライトを点灯させている画像です
左が処理前 右が処理後です。
画像はクリックすると大きくなります。
ボウルに入っている左右のハイライトが先ほどの撮影では背景と同化して全体のメリハリをなくしていました。
これを背景と分離するようにトーンカーブで調整することによってハイライトを諦めなくても表現できます。
リボンは選択して彩度を入れやはりトーンカーブで調整しました。
メリハリが出て透明感のあるワイングラスの完成です。
撮影はある程度フォトショップや撮影ブラウザーに頼らずライトを構成してから調整すると結果的に作業の効率化と時間短縮につながります。
ご自分でやろうと思っている方々挑戦してみてください。
もし 難しくうまくいかなかったらぜひご連絡ください。
代わりに撮影します。(笑)
私たちは東京新宿曙橋にある広告商品撮影スタジオ
広告写真撮影経験30年以上
代表の柳井一隆は数々の公募展での入賞経験や個展の開催 著名人や有名ブランドの撮影を担当
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