2023
04.05

化粧品の化粧箱の撮影

商品撮影講座

ライティングによる見え方の変化について

こんにちは、撮影の世界へようこそ! 今回は、化粧品の撮影に関するプロ級のテクニックをご紹介します。最高の画像を得るヒントとテクニックを、この記事でお届けします。

ディオールの化粧箱を題材にライティングの変化をみながら撮影してみましょう。

それではスタジオに商品を正面に設置してカメラ左からライトを入れてみましょう。

作例01

背景が暗くなることが嫌なので後ろにライトを入れてありますがそれ以外は左上からのライティング1灯です。
通常の商品撮影の基本のライトです。
色も出て箱が正面を向いているので上部のDiorのホットスタンプにカメラの影でしょうか盛り上がっているところに黒く映り込んで結果的に立体感が出ています。

正面から撮影すると反射するものですとカメラが必ず映り込みます。
今回の場合は結果オーラーイですがそうでない場合は工夫が必要です。

以前別のブログで反射の逃げ方の解説をいたしました。

次は左右対称の位置から同じ出力でライティングしてみましょう。

作例02

違いがわかりますか?少し分かりにくいですが箱の表面がエンボス状になっていて作例01の左からの1灯ライティングの方が質感は出ています。作例02は左右から光が来ていますので全体にフラットになりやすいです。ただし箔押しの影が少し小さくなりました。

この箱の正面カットは割と問題なく撮影できました。どちらのカットを使ってもいいと思います。
色とトーンを合わせて切り抜きましょう。

次は箱を斜めにして撮影しましょう。
このはこの左側面にはブランドロゴが型押しで表記されています。
それを一緒に表現しましょう。

作例03

商品真横からのライティングです。うっすらとブランドロゴが表現されています。斜め後ろからにライトを移動させましょう。

作例04

型押しは見えましたが箱にライトが受けてしまって色がとんでしまいました。手前斜めにライトを移動させます。ここまで全て1灯ライティングです。

作例05

質感を出すのは斜めから光を入れると出やすいのですが入れ方によっては作例04のように光が反射して色が出にくくなってしまいます。
今回は色の出方優先と画像処理前提で手前からのライト作例05をチョイスします。
次は表面の表現です。左のライトは消しましょう

作例06

商品の右真横カメラから商品にかけて90度右にライトを置きました。光量は抑え気味です。ちょうど光を反射する位置でホットスタンプの凹凸が分かります。ライトの無い左側はシャドーになっています。

次は斜めにした商品の表面の右延長線上にライトを置いてみましょう。

作例07

作例06より斜めに光が入っています。ロゴの陰影が強く出ていますね。非常に立体感が出ています。このライトはいかして右手前からライトを追加しましょう。

作例08

このライトは作例07のライトよりせっかくの質感を失わないように3/1段弱めに入れました。ロゴがなめらかな質感が出てきました。

それでは最初に作った左のライトを入れてみましょう。

作例09

左のライトを入れたら全体に明るくなってメリハリがなくなりました。最終的には傷の修理 歪み補正 色とトーン調整 切り抜きして仕上がりです。