09.27
包丁の撮影の仕方 アップ画像
反射する商品の撮影
包丁の撮影方法です。
典型的な反射物で撮影用語では光り物とも呼ばれています。
今回撮影に使うのは貝印株式会社様 旬 というブランドのシェフズナイフです。
私の会社のお客さまでもあります。
刃先がシュッとしていてとっても格好いい包丁です。
表面にはダマスカス模様が入りこの紋様をどのように美しく表現するのかが腕の見せ所です。
見どころはライトを作っていくと金属感が徐々に出てくるところです。
それではアップで金属の質感を表現しましょう。
撮影の実例
それでは最初はトップからのライト1灯で見てみましょう。
かろうじて模様は見えていますが明るさも暗いですね。金属には見えません。
柄から口金にかけてハイライトを入れてみます。
手前側には細めのハイライトを 外側には幅のあるハイライトを入れました。
外側のライトでは峰にもライトが反射して薄くラインが入りました。
正面はトップからの反射がもともと入っていますのでそれを生かします。
包丁の刃へのハイライトの表現方法
次に刃にハイライトを入れましょう。
ハイライト バチーン!と入りましたが少しのっぺらぼうで刃の全体が均一になりました。
若干反射を抑えて刃先にかけて薄くグラデーションにしました。刃へのハイライトは白い背景に画像を載せる時には配慮が必要です。
なぜなら歯の部分が背景と分離できなくなる恐れがあるからです。
今回の場合グラデーションにしてそのリスクを軽減しています。
つばにライトを入れました。少しづつ立体感が出てきましたね。
メインライトの構成
次は包丁の腹にライトを入れます。ここの模様を綺麗出さないとこの包丁の美しさは表現できません。
斜め上からライトを入れました。
少し白っぽくてフラットに感じます。
影を入れて金属感を演出します。
少し入れすぎたようです銘にまでかかってしまいました。
いかがでしょうか。微妙に名を避けてシャドーを入れました。
うまくあごにもハイライトが残り良い感じです。
あとはトーンカーブを調整して銘の部分の色だしと柄の質感調整です。
まとめ
反射物の撮影は光の足し算と引き算です。
どういうことかというと光を一つずつ構成しハイライトを立て足していき それをシャドウで引き算してメリハリをつけて金属感を出していきます。
金属の質感はシャドーとハイライトの対比があって初めて金属のハード感が出てきます。
それはグラデーションで表現しても一緒です
ネットショップなどで白いレフ板を写り込ませて白くしている商品画像を見ることがあります。
白くするとトンでしまうし質感を出そうと明るさを抑えるとグレーになってしまい難しい画像になってしまいます。
しっかりライトを写り込ましてあげないと質感は出てきません。
この包丁は紋様があるのでなおさらそれの表現に工夫が必要です。
最後にアップの画像をお見せします。
ここまで大きくしても元データーが大きいので30%です。
使用カメラ ジナーP フジノン210mm PHASE ONE IQ380
柳井一隆
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