02.07
包丁の撮影の仕方 商品の撮影 反射するものの撮影
商品撮影の仕方
包丁の撮影の仕方の解説です。
金属の反射があり非常に難しい撮影対象です。
今回撮影対象に選んだ包丁はダマスカス包丁と呼ばれる文様が入っている包丁です。
何層にも鋼を重ねて鋳造した包丁で錆びにくくよく切れる包丁です。
余談ですが先日両国の日本刀博物館で日本刀を見たときうっすらですが同じような文様が見られました。
これも何層にも鋼を重ねて鋳造しているので同じような文様が見られるのでしょう。
撮影するのはこちらの包丁 安田刃物の源虎徹 剣型の洋包丁です、
それでは撮影です。
正面の撮影です。
カメラは正面におきますが本当に正面におくとカメラが刃に写ってしまいますので写らないギリギリ下目から撮影しています。
長いレンズ(望遠系の商品撮影用のレンズ)で少し離れて撮影しているので包丁は正面に見えています。
それと斜めに対角線に写している理由は横長のものを切り抜き用で使う場合真横に置くより斜めに置いた方が少しでも解像度を大きく使えるためです。
このカメラは2200万画素のカメラでこのままですと60Mbtの大きさです。
しかし切り抜いてしまうと3分の1以下の大きさになってしまう。
対角線に置いて少しでも画素を多く使うというそういう理由です。
それでは最初にライトを1灯だけあててみてどのように変化するかみてみましょう。左からライトを動かしてみましょう。
ライトのあたり方で文様が変化することがわかります。
明るいところから暗くなる所にかけてが一番きれいにみられます。
これはライトの中心が明るく周りに行くに従って徐々に暗くなりますよね。
その明るさがグラデーションになっているところが包丁に反射して質感を出すのです。
ライトを少し上にあげてみましょう。
刃先に近い模様のない部分からライトが外れてシャドウになりました。
カッコ良く表現されていますがライトがひとつだけのライティングです。
ライトを組んでいきましょう。
最初に刃を光らせましょう。
そうすることによって硬質感を際立たせます。
カメラから見る角度から刃が反射する位置に探します。
綺麗に入りました。
それと同時に峰にもライトがはいっています。文様が綺麗です。
次はハンドル(柄)の撮影です。
先ほどの刃へのライトは消します。
柄の上部にハイライトを入れましょう。
きれいにラインが入りましたがその光が刃に回ってしまいました。
ここでは気にしません最後に調整しましょう。
次は柄尻にハイライトを入れます。
良い感じです。
次はハンドルの下部 カーブのついている所の表現です。
きれいにグラデーションが出てカーブが表現できました。
それと同時に上部のハイライトを調整して柄の平らな部分まで光が回るよう調整しました。
木の質感が出ました。
それでは最初に刃にあてていたライトをつけてみましょう。
ライトを全部つけたために光が回ってしまい上部の文様が見えにくくなってしまっています。
白い紙を刃先の下に入れましたがこれは切り抜く時に刃のふちに不必要に黒く残らないようにするためです。
少しライトを動かし調整します。
余計見えなくなりました。
ライトの明るいところがあたってしまったようです。
ストロボの出力を下げてみましょう。
文様は見えてきましたがコントラストが弱いです。
ライトの位置を上に動かしましょう。
とってもよくなりました。
いろいろ動かしたら柄の部分のハイライトが見えていません。
調整します。
とってもよくなりました。
切り抜きをして完成です。
本来包丁や金属質感のものはハイライトを強調してその中にシャドウを入れて質感を出します。
今回の包丁は 文様を出すためにシャドウが多めに入れてグラデーションを生かして撮影しました
微妙な光の強弱で質感が変わり非常に難しい撮影対象です。
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