化粧品の切り抜き撮影カット
透明感を出すライティングでボトルの立体感を確実に再現
下の4っつのボトルは正面切り抜きカットのライティングによる表現の違いです。
ライトの位置より見え方が変わります。
撮影のご依頼の時参考にしてください。
左側から
- 両側からライト(両サイドが反射しています)
- 左からライト(左のみ反射しています)
- 右からライト(右のみ反射しています)
- 反射がなくて全体に光が回っている

反射のあるチューブ洗顔料
これもライトの入れ方は同じです。

反射のことを私たちはハイライトと呼んでおりこれを上手に入れると商品の立体感 丸みが表現できます。
一番右の商品は一見綺麗に見えますが 商品の撮影という観点から見ますと立体感のないフラットな画像ということになります。
最も最近ナチュラル系の化粧品やファッション撮影で陰影のない柔らかい光がコンセプトになっているsiteを見ますがそれも統一感があって綺麗だと思います。
透明なボトルの表現方法
下の画像は後ろから光を入れて透明なボトルを表現しました。

左からライトの明るさを暗く変化させています。
こちらもどれがいいというのではなく お客様のお好みで
撮影時に細かい調整をいたします。
化粧品の切り抜き撮影の実際 ファンデーション
化粧品の撮影に関するプロ級のテクニックをご紹介します。美しい一瞬をキャッチするためのヒントとテクニックを、この記事でお届けします。
商品はDiorのファンデーションです。
曇りガラスの容器と無反射のプラスティックキャップです。
あまり派手さがなくどちらかというと地味な印象です。
そのような商品だから尚更ライティングを丁寧に行なって表現することが大切です
シルバーのホットスタンプがついています。
今回はライトの位置と光の強さを調整して商品の見え方の違いを見ていきましょう。
ライトと商品 カメラの位置のイラストをご覧ください。
スタジオを上から見たところです。
商品へのライティングでの見え方の違い

背景はトレペの後ろから 明るくするためにライトを1灯
商品へのライトは2灯でのライティングです。
ライトAは左斜めにした商品表面に対して水平に光をあてました。
ライトBはカメラ横からです。それぞれストロボの出力(光の強さ)を変えて位置は動かさないで撮影してみましょう。






- 作例01 ライトA のみ点灯 ライトB なし
商品横から1灯で撮影しているので凹凸のあるホットスタンプが顕著に表現されています。
それとガラスのパッケージの横から透過して透明感が出ています。 - 作例02 ライトA に対してライトBは1/4の出力
ライトBを点灯して表面を表現しました。ホットスタンプが綺麗に出てきました。 - 作例03 ライトA ライトB 同じ出力
瓶の透明感が強調されましたが正面のファンデーションの色味が濁りました。
これは弱い方のライトAにライトBの出力を合わせたからです。 - 作例04 ライトAより ライトBが2倍の出力
ファンデーションの色味が出てきました。
でもすりガラス越しですから色が濁りますね。 - 作例05 ライトAより ライトBが3倍の出力
ライトBの出力を作例04より倍に上げてみました。色が綺麗に出てきましたが本当の色とは違ってきました。それと真っ直ぐライトが当たっているせいもありますがホットスタンプが飛び気味です。 - 作例06 ライトA ナシ ライトB点灯
ライトBの出力は作例05と同じです。
ライトAを消したことによって左のガラスの透明感とファンデーションの角部分のハイライトが消えました。
上記の作例から考えるとライトBが正面すぎていて商品にまともに光がうけているように感じます。
少しずらしてみましょう。



- 作例07 ライトA ナシ ライトB 点灯 出力は作例06と同じです。ライトの中心を右にずらしました。ホットスタンプに質感が出てきました。
- 作例08 ライトAを点けてみましょう。ライトBの1/4の出力です。ファンデーションの角にハイライトが戻りました。左側のロゴもいい感じに出てきました。もう少し明るい方が良さそうです。
- 作例09 ライトAをライトBの1/2まで明るくします。 とっても良くなりました。
最後に右側面です。今は背後からのライトの光が回って明るくなっていますが調整しましょう。

ライトを入れて明るくしました。
色味トーンを整えて切り抜きましょう。
完成です。


