2022
11.30

商品撮影で水を使い水滴の動きを止める撮影

商品撮影講座, 実績 経歴, 商品 製品の撮影

水を使った商品の撮影です。

表題の通り、商品に水をかけてその動きを止める撮影です。防水製品などによく使うイメージ撮影ですね。
化粧品などにも使えますが今回は防水カメラを使って撮影してみましょう。
カメラはオリンパスTouthというコンパクトカメラで水中カメラにもなる商品です。

最初は撮影準備から説明しましょう。
水の撮影は水の動きを止めなくてはいけませんそれにはいくつか方法があります。
撮影の技法の話になりますが
A シャッタースピードを早めて撮影をする方法
この方法は滝や川の水などをイメージして頂ければわかると思いますがシャッターを速くすれば水の動きは止める事が可能です。
ただ、スタジオ内となると速いシャッタースピードにするにはライトの光量が足りません。
(最近のカメラでは高感度がノイズなく撮影できるカメラがあるのでそのようなカメラを使用すれば光量がそれほど必要なく撮影できるようになりました。)

B 業務用大型ストロボで撮影する方法
いつも弊社で使っている大型のストロボで撮影します。ストロボですので動きが止まると思われますが大型ストロボは光量が大きい分発光時間が長いのです。
速い動きのある物は止まらないのです。
ただし大型ストロボでも特殊なストロボで発光時間の短いストロボもありますが高価で用意する難度も高いので却下です。

C クリップオンストロボを使って撮影する方法
一般の方が使われる一眼レフカメラの頭に付けるストロボです。

なかなか盲点ですがこのストロボは光量が少ない分発光時間が非常に短く動きを止めるには最適です。ひとつひとつは光量が小さいですが複数用意すればデジカメの感度をISO400にすることで使えます。


先ほども書きましたように光量が小さいストロボですので4台使いました。それぞれスタンドにスレーブ(ひとつが光るとその光に反応してストロボを発光させる装置)を付けてその上にストロボを載せます。

撮影台を作ります。
流れてきた水がカメラにあたり水がはじけるように設置します。

ガラスの板を左から右に向かって斜めに置き水が流れるようにします。

その上に乳白色のアクリル板をのせます。

アクリル板だけだと柔らかいので曲がってしまうため平面を出すためにガラス板の上に乗せました。
下から光をあてて透過光で水の表情をだします。

そして真ん中にカメラを設置します。

水の勢いで商品が動いてしまうためグルーガンで盤面に固定します。

流れてくる水を受け止めるバットを置いておきます。
スタジオ内もわかりにくいですがビニールの養生シートをひいています。

結構大掛かりです。

水を左から流しますので樋を設置しました。この上から水をカメラに向かって流します。
ライティングは水の質感を出すには逆光が必要です。

後ろからトレペ越しのライトは商品の天面と斜め左上のアクリル板の反射を表現。

左の樋の後ろからの直ライトは商品左側の表現と水のきらめきと透明感。

下部のアクリル越しは水の透明感の表現。

そして右前からのトレペ越しのメインライトはカメラ全面の表現をしています。

ただ、白いアクリル板の上に置いた光り物の商品は斜め上から写すと 必ず盤面が写り込みます。今回青い商品ですのでそれほど気にはなりませんが商品の色によっては色を出すのが難しい場合があります。

さあ、水を流してみましょう。
この撮影はストロボの撮影のため連写する事ができません。水を1回流すたびに1枚しか撮影出来ません。

1回流すたびにカメラと盤面を拭きます。

水がうまくカメラにあたりはじける瞬間を狙います。

テストしてみました。
いかがですか。うまく水の動きが止まっています。

うまく水がはじけてロゴが隠れなくて商品のカメラがよくわかるカットを選びました。

通常このような撮影の場合は、撮影後画像処理で水のはじけた所をバランスのよい所に移動させて完成させます。
今回は作品撮影ですのであえて画像処理で手をくわえていません。
下記の動画は撮影した画像をスライドショーにしたものです。




撮影後スタジオは水浸しになり後片付けが大変でした。
このようなイメージ撮影も行います。是非ご相談下さい。

私たちの商品撮影の料金表です

商品撮影の料金目安を掲載いたしました。
もしご予算などございましたらご相談ください。

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